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2012/09/17

EVのデメリット

EVのデメリットとして以下のようなものが取り上げられることが多いようです。そこで,この問題点を整理してみました。
1) 価格が高い
2) 走る距離が短い
3) 充電時間が長い
4) 充電のためのインフラ不足
5) 寒冷地でのバッテリ性能低下
6) 坂道に弱い
7) 車の種類が少ない

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1) 価格が高い

i-MiEV の廉価版 Mグレードでも国の補助金受給後の支払い価格が188万円ですから,軽自動車としては確かに高いものとなっています。しかし,「1万キロ走ったところ1kmで○円」に書いているデータを元にすると毎年約9万4000円分のガソリン代が浮きますから,国の補助金の縛りがあってEVを売ることができない4年間でそれは約37万円にもなります。ですから車両価格が188万円と言っても37万円分のガソリン無料券込みの値段,約150万円の軽自動車だと思えば,100万円を下まわる軽自動車が多い中でもそれほど高い買い物ではないでしょう。(50万円はやはり高いか^_^;)

i-MiEV Gグレードは補助金受給後の支払い価格が284万円や日産リーフのGグレードは補助金受給後の支払い価格が328万円とそれなりの価格になっています。

EV車とガソリン車とのコスト比較(2011/09/04)

価格が高い一番の原因は,電池が高いことにつきます。販売価格に対する電池の値段の割合は公表されていませんが,リーフやi-MiEV発売初期には車両価格の半分ほどにもなると言われていました。しかし,量産効果などにより車両価格の4分の1以下になっているとの情報もありますから,これからは,マイナーチェンジされるたびに徐々に価格は下がっていくのではないでしょうか。

2) 走る距離が短い

500キロ走るガソリン車と比べれば,i-MiEV Mグレードの実質的な航続距離100キロ(暖房を使う冬場を除く)が短いのは明らかでしょう。リチウムイオン電池24kWhを積む日産リーフでも航続距離は,JC08モードで約200キロですし,2012年8月31日よりリース販売が始まったホンダ「フィットEV」で225キロです。

冬以外であれば,時速60キロまでの一定速度で回生を上手く働かせながら走らせることができるとi-MiEV Mグレードでも100キロ以上走らせることはできます。(2012年8月25日,充電後に航続可能距離表示が134キロを表示)

0825imiev

日産リーフであと100キロ走れば買うのにと言う人がいますが,i-MiEV Mグレードの一充電距離100キロでも短いと考えるかどうかは使い方・考え方によるでしょう。私は家族の中でセカンドカーとしてのガソリン車を持っていますから,長距離はガソリン車とすみ分けていますが,往復約30キロの毎日の通勤と休日の街乗りでEVに不便さを感じたことはありません。

また,「EVは長距離移動に使えない」というのは思い込みに過ぎません。充電時間が余分にかかったり,電池の消耗を考えると速く走ることができなかったりと制限はありますが,15分から30分ほどで電池の約80%を充電する急速充電器を使えば,距離を伸ばして移動することができます

この急速充電器は全国に設置され始めており,2012.9.7現在(CHAdeMO協議会)1318箇所あります。これらの設備を利用して,東京大阪間を往復したり,静岡から北海道稚内までを往復したりする人も出てきています。

将来的には,2013年中に量産開始する予定のSIM-DriveSIM-WILは351キロを記録していますから,EVの航続距離は一充電で長距離移動ができるまで伸びていくことでしょう。

3) 充電時間が長い

「充電時間」は,「普通充電」と「急速充電」の2つに分けて考えなければなりません。

100Vや200Vの「普通充電」では,充電時間がかります。たとえば,10.5kWhの電池を積むi-MiEV Mグレードでは200Vで約4時間半 ,24kWhの電池を積むリーフでは約8時間 です。しかし,これも走行距離と同様に考え方次第でしょう。

車を駐車している時間は,自宅などの場合であれば8時間を越えるでしょうから,その間に携帯電話のようにコンセントに差しておくだけで充電は完了します。ただ,「毎日充電では手間がかかって仕方がない」という書き込みもネット上にみられます。携帯電話を充電する作業が手間だと言われれば,EVの充電も面倒でしょうが,帰ってきてコンセントを充電口に差すことは,少なくともセルフスタンドで給油することと比べたらそれほど手間ではありません。

もう一つの「急速充電」では,日産リーフで警告ランプがついてから80パーセント充電に約30分かかります。(急速充電は負荷が大きいために日産ではこのパーセンテージ以上の充電をすすめていない)また,三菱i-MiEVのGグレードでも約30分,電池容量がリーフの半分以下のMグレードに至っては約15分です。

ただし,一般的にガソリン車でも警告ランプがついてからガソリンスタンドに行くようなことはまれで,普通は残りが少なくなってくればスタンドへ 行くでしょう。同じようにEVも残り数目盛というところで充電すれば,上記の時間よりも充電時間はもっと短くなります。

私のi-MiEV Mグレードでは,バッテリー残量計0目盛から85%で約14分,95%充電(約114km走行可能と表示)で約17分となっています。

4) 充電インフラ不足

充電の基本は自宅と考えた場合,インフラ整備といわれるものは急速充電器の設置ということになるでしょう。2)に書いたようにその急速充電器は全国に設置され始めており,2012年9月7日現在1318箇所あります。この数が多いのか少ないのか。実際には,自治体やメーカーの取り組みには温度差があり,CHAdeMO協議会 都道府県別 設置数一覧(2012/9/7現在) によると神奈川県には142箇所もあるのに比べ,奈良県には5箇所しかありません。つまりインフラ不足が解消されつつある県もあるが,まだまだ不足しているところもあるというのが実態です。

そこで,次世代自動車戦略研究会では,2020年までに急速充電器5000基設置を目指すとしています。

携帯電話が繋がりにくいといっても流行のスマートフォンを買い求める人はたくさんいます。そのつながりにくさの解消のために電話会社は基地局の設備増強や新設に励んでいることでしょう。EVでもEVの走りの面白さや魅力が人々に伝われば,買い求める人が増え,インフラの整備も進むことでしょう。鶏が先か卵が先かのように充電インフラが整備されていないからEVが普及しないと考えるのではなく,まずはEVの楽しさを理解してもらうことが重要で,その結果としてEVの増加,急速充電器の整備へと結びつくのではないかとも考えられます。

5) 寒冷地でのバッテリ性能低下

2012年,雪の多い中でひと冬を走りましたが,私のi-MiEV Mグレードでは,バッテリ性能の低下は実感しませんでした。北海道などの極寒冷地では性能の低下はあるかもしれませんが,それは急速充電時のみのようです。以下,日産リーフのQ&Aにあった項目です。

○低温時は充電時間が余計にかかりますか?

200V充電の場合は、温度による影響はほとんどありません。ただし急速充電の場合は、低温時、必要な充電時間が変わってきます。

逆に,夏場,電池の冷却装置のついていない日産リーフは熱に弱く,性能が低下することがあるようです。(日産リーフ 三菱アイミーブの所有者ブログ

6) 坂道に弱い

この場合の「弱い」には2つあって,登坂能力の面でEVは坂道に弱いと考える人は,あきらかにEVに乗ったことがない人でしょう。モーターはアクセルを踏んだときから力強く走り始めますから,ガソリン車よりも坂道に強いといえるかもしれません。

この坂道の件に代表されるように,頭でわかっていたとしてもEVは乗ってみてはじめてその良さのわかる車ですから,まずは乗ってもらうことが誤解を解く近道です。日々,車にかかわっている人でも結構EVには乗ったことがない,というのが実態でしょう。

EVは,登坂能力という面では坂道に強いですが,以下のページに書いたように電力消費という面では坂道にはとても弱い車です。登り坂は電気の消費がはげしく,平地よりも走る距離は極端に短くなります。ここのところは坂道を力強く登るEVといっても,走らせるときに注意する必要があります。

山のぼり(2011/10/01)

山のぼり」にも書いていますがEVは,頂点まで上ってしまえば下り坂ではモーターで発電(回生)をしながら走ることから,減っていた電気量が増えていくというガソリン車では考えられない面白い状況になります。

7) 車の種類が少ない

2012年8月27日現在,EVへの改造車を除けば,市販で買うことができるのは普通車の日産リーフ(2グレード)と軽自動車の三菱i-MiEV (2グレード)・ミニバンタイプの三菱MINICAB-MiEV(2グレード),タケオカ自動車工芸のREVAiなどです。(ただし,REVAi はリチウムイオン電池対応になっていないために今年度の補助対象車両となっていません)

ミニEVは,タケオカ自動車工芸のT-10やトヨタ車体コムスらなどが発売されています。

その他には,ホンダのフィットEVやマツダのデミオEVもありますが,現在は地方自治体や法人向けですから一般的ではありません。トヨタは,iQ をベースにしたFT-EVIIIやRAV4 EVを計画していますが,日本での販売はまだありません。SIM-Driveは,2013年中に量産開始する予定のSIM-WILがあります。今は種類が少ないですが,今後,車種は増えてくると思います。

コメント

REVAiは鉛バッテリーなので、どこからも補助金出ないんですよ。(自治体からも出ません)
タケオカのT-10も、鉛バッテリーなので補助金出ません。あれ? コムスは出るのか。鉛じゃなくなったんだっけ?(笑)
数年前までは、唯一、国だけが補助金をくれました。
3年半前、ウチはそれを貰いましたが、当時でも、話題になっていた横浜市の補助金は、次世代バッテリー搭載車に限られていましたからねぇ。(i-MiEV一般発売直前の話です)
エコカーということで、税制優遇はありますけどね。

(Webマスター:コムスのバッテリーを検索しましたが,出てきませんでした^_^;)

タオオカが扱っているREVAiは、4人乗り軽自動車です。(登録上はi-MiEVと同じ)
タケオカのミニカー登録(ひとり乗り)のEVは、T-10などです。

(Webマスター:ご連絡ありがとうございます。早速,訂正しておきます)

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