さらばドコモ
付近のみかん畑から甘酸っぱい蜜柑の花の香りが漂う5月初旬。僕は最寄りのドコモショップ駐車場に降り立っていた。
ちぇこふ家の携帯電話の買い替えサイクルどおりにいくとちょうど新しいデバイスに切り替えるタイミングなのだが、ただでさえ貧乏暇無しでお馴染みのちぇこふ家だというのに今年はより一層厳しい財政事情に見舞われていて高価な贅沢品には予算を捻出できない。
本来であればようやく香港のショップで値段もこなれてきたBlackBerryPrivを入手して快適なAndroid 5.1 Lollipop&物理QWERTYキー端末に酔いしれていたであろうことを思うと残念でならないがこれも生きていくため(笑)。止むを得ないところだ。
では、僕が大の苦手とする綺麗なお姉さんを大量に擁するドコモショップに足を運んでまで一体何をしに行ったのか?それは…
僕が携帯電話を持ち始めたのは1999年。決して早くはない。昔からデバイスオタクぶりを自負していた僕だったので「最新デバイス」として気にならない訳が無かったが、それを持ってしまうことで、ただでさえ当時すでに殆どゼロに等しかったプライベートな時間をそれ以上奪われるのが嫌だったからだ。無論ポケベルも持ったことがなかった。
そんな僕は、初めて手にした携帯電話から16年間ただの一度も浮気をせずドコモ一筋だった。理由は様々だが、常に僕が最も気になる端末を提供し続けていたことと、田舎住まい故の「つながりやすさ」が他社を圧倒していたことが大きかった。
しかしドコモはau,ソフトバンクが大手キャリアとして成長するに連れ、既存ユーザーへの配慮が薄れていった。新規ユーザー獲得にやっきになるのは企業として必然的な流れだしそれ自体は一向に構わないのだがそれと並行して既存ユーザーへの心情を理解したうえでの配慮は必要だ。だが現実問題として5年選手、10年選手の長期ユーザーの扱われようが、新規ユーザーのそれに劣ることが珍しくなくなっていった。
トドメは僕の心酔していたBlackBerry端末に関するサービスを当初から無駄に高価な専用料金(BIS)を払わせているのに内容もスカスカでOSバージョンアップすらサポートしないおざなりっぷり。魅力ある端末として十分な情報発信もせず蔑ろにし続けた末、自明のとおり新規ユーザーも獲得できないままとうとう取り扱わなくなってしまった。こうしたBlackBerryをめぐる一連の流れを見て僕の中で何かがプツリと音を立てて切れてしまった。
番号を呼ばれて席につきMNP予約番号を発行して欲しいと伝えると、綺麗なお姉さんはしっかりとトレーニングされた表情をつくってとても残念そうな素振りを見せ(笑)
お姉さん「かしこまりました…」
と儚げに発したあと、僕から必要な情報を聞き取って自らのデスクの端末を操り、さらにまた今度は溜め息まじりに落胆の言葉を発する(笑)。
お姉さん「こんなに長い間御愛用いただいていたのに今回またどうして…」
それから約5分、所定の解約理由確認と引き止め工作を悲しげな演出とともに繰り広げたが、僕がポツリと口にした
ちぇこふ「でもお姉さん、僕がドコモを利用していた16年間ただの一度も、既存ユーザーにその利用期間にふさわしい優しさで接してくれたことはなかったですよ?」
の言葉の前にはさすがのお姉さんも苦笑いしながら閉口してしまった。
そんな手続きの末に発行してもらったMNP予約番号を手に自宅に帰り早速MNP申し込みにとりかかる。今回僕がMNP転入先として選んだMNVOは関西電力系列のeo光が運営するmineoだ。ネットにテレビ、電話がもう何年もeo光で安心感があったこともあるが、中華タブレット用のSIMとして約半年間データプランで利用して回線スピードの安定性も経験済みだったことが最大の決め手だ。
もちろん事務手数料が無料になる「mineoエントリーパッケージ」は既にamazonで購入し届いている。
このページがよく解らない。
実は普段からオーディオ&ビジュアル、家電、PCなどに関して僕の考えや知識を大切にしてくれて何かと頼りにしてくれる友人がいるのだが、その友人の携帯も時期同じくしてmineoにMNPしたのだ。
友人は「ちゃんとスタッフのいるお店で話を聞きながら手続きをしたい」とのことでグランフロント大阪のmineoアンテナショップへ行くのに付き合ったのだが、その際にはこの「Amazonギフト券」のくだりで紹介者の電話番号を尋ねられ入力する箇所があったのに、僕がこのページから申し込んだ際にはその箇所が現れなかったのだ。amazonはよく利用するし、初夏という心地よい季節に反して厳寒の懐事情を考えれば貰えるものなら貰いたかったのに心残りでならない(笑)。
申し込み自体は指示された項目に入力していくだけなのでややこしくはない。SIMカードの種別や希望するプラン、MNP予約番号などを順番に入力していく。
本人確認書類は健康保険証をカラースキャンした画像をアップロードした。いまどきのMNVOはどこもそうなのだがmineoも例に漏れず支払方法はクレジットカードのみなので自分名義のクレカをお持ちでない方は予め作っておかないといけない(ただしeo光と契約している人であればeo光の料金と合算してそちらで支払うことも可能)。
時はゴールデンウィーク真っ只中の5月3日。タブレット用のデータSIMを申し込んだ時でも申し込んでから1週間以上かかった。今回はMNPという一手間があることだし一体いつになることやら…と思っていたらナント3日後の5月6日にSIMカードが届いた!
すごい。mineo仕事が速くなってる!
翌日さっそく開封してMNP転入切り換え作業に入った。
BlackBerryQ10からドコモSIMを取り外しmineoSIMを厳かに挿入する。
ドコモよ、さらば!
(でも厳密に言うとmineoDプランなのでドコモ回線は相変わらず使い続けるわけで…縁が切れたわけではなかったりする^^;)
同封のマニュアルを見ながらMNP転入切替/回線切替申し込みを実行する。
申込み完了直後のBlackBerryQ10の様子。
「SIMはプロビジョニングされていません」と表示され、緊急電話とwifi運用しか出来ない状態だ。
Aプランだと約30分、Dプランだと約1時間で切り換えが済むとのこと。僕はDプランだったが試しに30分後に再起動してみたがやはりまだ未開通だった。
しかしmoperaは一足先に既に解約完了してしまったようで「アカウント情報が変更されたからログインできない。確認しろ」とのメッセージが出た。
約70分後、無事docomo回線網に接続。目新しさが無さ過ぎて新鮮味が無いが(笑)めでたくMNP切替完了だ。
つづいてAPN設定をする。
無事モバイルネットワーク欄に「NTT DOCOMO 3G-音声/データ」が表示された。
これでもう問題なく使えるはずだ!
最後に電話回線の開通試験をするためコールバックしてくれる「テストコール」という無料サービスが使えるとあるのでやってみる。
よし!大丈夫。
それから約10日後、mineoのマイページを確認するとこの程度しかパケットを消費していなかった。これはモバイルでのネット利用の際の主体がBlackBerryQ10からデータ通信Dプランで運用している中華タブレットへと順調に移行している為だろう。mineoのパケットはシェアできるので近いうちに更に安価なプランへ変更しても良さそうだ。
こうして今回、16年間お付き合いしてきたドコモからとうとうmineoに乗り換えたわけだが、どうしてドコモはこれほどまでに既存ユーザーへの配慮に関して無策だったのか不思議でならなかった。
が、しかし、実は最近とある場所で入手した噂によれば決して無策だったわけではなく、ドコモ社内の顧客獲得戦略において「10年以上ドコモを使い続けているユーザーの多くは中高年齢で保守的かつ新興技術に無関心で面倒臭がりな傾向が強いので別段何もしなくても他キャリアに乗り換えることはない」という認識で一致しているらしいというのだ。
これが本当なら慢心以外の何物でもない。MNVO各社の安定性とサービスの質が成熟してきている今こそ、ドコモの礎となってその黄金期を支えてきたサイレントマジョリティのドコモユーザーは立ち上がるべきだろう。
ドコモに限らず、急成長を遂げ、かつての開拓力、冒険性を失った大企業というものは往々にして、目先の成長と利益に動いてその土台の存在を忘却し迷走する。しかしそれはモノ言わぬコンシューマーだった自分たちにも責任はあるのだ。
今日はドコモと、昨日までの僕と同様に今もドコモというぬるま湯に長年浸かっているドコモユーザーの双方に、次の言葉を贈って締めたい。
映画「ファンシィダンス」で南拓然住職(村上冬樹)が陽平(本木雅弘)を諭した言葉だ。
“百尺竿頭に一歩を進め、絶後に再び蘇る”






































































































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