つい先日の日曜日の話。
台風が沖縄地方を北上するということで本州にかかっていた梅雨前線が活発化して午後からは雨の予報となっていたが、午前10時の時点で和歌山県北部は晴天に恵まれ前日と同様に30℃を既に超えていた。しかし暦では最凶の黒日。葬式以外の何事に用いても良くない日という凄まじく悪い日だ。
ちょびん「やった~!今日はプールだね!!」
僕たち夫婦の仕事の都合とちょびんの心身の鍛練も兼ねて、ちょびんはこのところ週4回ぐらいのペースで幼稚園の時間外保育(正規の授業終了後14:00~17:00を園で保育してもらうシステム)をしてもらっているのだが、クラスの大半の友だちは帰ってしまい、頼りになる担任の先生も明日の準備や職員会議で忙しい為なかなか嫌がる子も多い。
5月生まれの僕は、当時通っていた幼稚園が小規模(園児80人程度)だったこともあって常にボスとして君臨し、何の苦労もなく楽しい幼稚園生活を送っていたが、1月生まれのちょびんは体格でも運動能力でも下から数えた方が早く、おまけに大型幼稚園(園児300人程度)であるため「時間外保育」とは言え50人近い園児たちを相手に毎夕張り合っていかなければならないのだからさぞエネルギーも消耗することだろう。そんなわけで我が家では、時間外保育で頑張った日は「プリン」「さつまいもの天ぷら」「チョコチップスティックパン」など、ちょびんの大好物を御褒美として用意し、労をねぎらうようにしている。
そして先週1週間を総括する御褒美が「時間外保育に4回以上出て日曜がイイ天気だったらプール」だったというわけで……無事週4回の時間外保育をクリアして、あとは日曜の好天を待つのみだったちょびんが当日の青空を見て破顔の笑顔で放った言葉。それが冒頭にも書いた「やった~!今日はプールだね!!」だったわけである。午後から天候が崩れる予報だったが、黒日だし、どこにも出かけず家でおとなしくプールぐらいなら悪いことも起こらないだろうと、めでたくちぇこふ家のプール開きとあいなった。
昨年まで使っていたプールはちょびんには小さくなってしまっていたので予め週末の時点でよよこと近くのホムセンに赴きコレ↓を購入しておいた。
Wプールですべり台ありシャワーありの、なんだか見るからに楽しそうなプールだったのが決め手。広げてみるとギミックの多さに比例してさすがにデカい。
去年からこの手のアイテムに関しては車のシガーソケットから電気をとって駆動する小さなポンプを使って膨らませているのだが、1つ1つの色が、プールを構成する1つ1つのビニール袋に分かれていて、全てにその各パーツ用の給気口が備え付けられているという凄まじい作りになっている。安物のポンプゆえに「連続使用時間10分まで」という縛りもあって、冷まし冷ましの空気注入になるものだから全てのパーツを膨らませ終わるのに1時間近くもかかってしまった。
と、ここで問題点……というか腑に落ちない点が2つほど浮上した。
まず1つ目。このプールのキモの1つである「フラワー形シャワー」のホースを支える茎の部分も空気を注入してピン!と立たせるわけだが、この給気口には最初から何故か黒い物体(空気を注入するホースの先に付ける部品のようなもの)が突き刺さっていた(実際にその部品を使うことは無い)。
そいつが入っていたせいで給気口内部にある逆止弁がピッタリと閉まらない位置で型がついてしまっており、空気を注入して蓋をしようとしても相当な量の空気が漏れ出てしまうため茎部分が立てられないのだ。おまけに、その黒い部品がずっと入っていたせいで給気口自体の径も広がってしまっていて蓋を閉じてもポロンとすぐに取れてしまうというトンデモぶり。
説明書(といっても箱の裏の説明のみ)にも載っていない部品なので、恐らくは製造ラインでの検品時、給気チェックした際に取り残されてしまった工場の部品だろう。万一「説明書には載っていないものの実はプール作成に便利な部品でした~」だったとしても、給気口に突き刺しっ放しで出荷するのはどうかと思う。
しかし、こんなことでちょびんの楽しい初プールが台無しになるのは嫌だったので、ビニールの上から指で逆止弁の根元をコネコネして閉じ易くしたり給気口を冷水で冷やして縮めたりする工夫を施していると、大きな衝撃にはまだまだ脆いものの最初よりは空気が漏れにくくなった。最悪の場合ガムテープで留める以外に無いが、ひとまずこれで様子を見ることにした。
つぎに2つ目。プールのそこここに↓このような穴が開いていて、ある程度水が貯まると少しずつ水が漏れ出していく。
もちろんコレについても説明書には何も記載されていないので正確な存在意義は不明だが、無作為に破られた穴というわけではなく同じような場所数カ所にしっかりと作られた綺麗な丸い穴なので、プール内の水位があまり高くならないよう排水するための穴だと思われる。先述のフラワー型シャワーから水を給水し続けるような使い方をするプールなので上から水が溢れ出るくらいなら途中から排水、ということなのだろうが、穴の位置が写真のとおりかなり下の方なので結構勢いよく水を入れ続けないと水位は瞬く間に赤ちゃん用になってしまう。
「シャワーを止めて使う場合もある」という可能性は考えなかったのだろうか?この穴を塞ぐ部品も付属していないという潔さから考えるに、製造元であるアメリカINTEX社的には「えっ?なんでシャワー止めるんスか?シャワー楽しいじゃないスか。止めるなんて有り得ないっスよ!」といったところなのだろう。
プール遊びをしている間、ジャンジャン上からシャワーを出し、どんどんプール側面から排水しつづけるという考え方というか文化がスゴい。やっぱり消費大国アメリカには敵わない(MADE IN CHAINAだけど)。彼らのレジャーにかける意気込みは桁外れだ。
肝心のちょびんはというと、そんな事そっちのけで大いに楽しんだ。やはりこのプールの変化に富んだ作りは幼児の心を鷲掴みにしたらしい。2~3人で遊べばもっと楽しいだろう。天候の不順さから直前まで実行の可否が危ぶまれていたため連絡することを控えてしまったがこんなことならちょびんの園友たち(と御家族)にも声をかけさせてもらえば良かった。
それから2時間余り遊び続けることになるちょびんはよよこに任せ(笑)、僕はビーシュリンプ水槽の水草のトリミングをすることにした。セッティングして2ヶ月以上水草を放置していたビーシュリンプ水槽がこちら。
まさにジャングル。クラゲのように何本も太い根を伸ばした水草はなんと浮き草。水中の余分な養分を吸ってもらうために投入し、実際によく働いてくれていたのだがまさかこれほど逞しくなるとは…。前々から「だんだんエビが見えなくなってきたよ?」「なんか暗いよ?」などとよよこからもクレームを受けていたが設置場所が台所のシンク上部の出窓部分ということで観賞するには最高のポジションでも、メンテナンスするにはかなり困難な場所であることから延び延びになってしまっていた。覚悟を決めてトリミングをするとこの通り。
あぁ気持ちがいい。まるで憑きものが取れたようにスッキリとする。思い切ってトリミングしたつもりだが、それでも↓こうして4月当時の様子と比べると繁茂して青々としている。
ビーシュリンプの爆殖はまだだが、レッドラムズホーンはものの見事に爆殖した(笑)。残飯をさらってもらうために3匹入れたのが始まりだが、今ではビーシュリンプにエサを投じてもまず最初に集合するのは彼らだ。
毎度毎度のこの光景によよこは相当ブルーになっていて、せっかく「癒し」のために設置したエビ水槽がよよこの心を曇らせてしまっては本末転倒なので、もう数週間前の話になるが実は策を講じていた。
増え過ぎたラムズホーンの対処方法はアクアショップAZのオーナー曰く
「ウチらやったら売り物になるんでそのままですけど…あんなん指で潰したらいいですやん」
なのだが(笑)、せっかく我が家で生まれた生き物が「ただ潰されて」生涯を終えるのは何とも甲斐がないというか、無駄死にになってしまうので何かの役に立てられないかという発想からスタート。
●アベニーパファーたちが生きていれば喜んで食べただろうに彼らはもういない。
●15cmに成長し、アフリカン水槽の混泳魚たちを結局1尾残らず死に追いやった荒くれフロントーサが20cm級フロントーサの群泳するアフリカンキーパーの方にもらわれていった結果60cm水槽が1本空いている。
●近所のホムセンの熱帯魚コーナーに状態の良いテトラオドン・ファハカの幼魚が入荷していた。
●かつてアクアショップAZにもオーナーお気に入りのファハカがいたが大型種特有の悠然とした性格(神経質ではない)で、人にもよく慣れていて愛嬌があった。
●ちなみにファハカはレッドラムズホーンも大の好物。
という思考展開の末、6月の初旬にはテトラオドン・ファハカを飼育し始めていた。いそがしく胸びれを動かしてホバリングするようにフワフワと水槽内を移動するその姿にちょびんも大喜び。名前は福(ふく)の蔵(くら)と書いて「福蔵(ふくぞう)」。我が家に福を呼び込んでもらいたいという熱い気持ちを込めて命名していた。
さすがにアクアショップAZのファハカのように人工飼料に慣れてくれてはいなかったが、冷凍赤虫も冷凍ブラインシュリンプもよく食べる元気な個体。やはり「食べてくれる」個体はそれだけで素晴らしい存在である。そんな福蔵に今回初めて本命であるレッドラムズホーンを与えてみた。以下がその様子。
こんな感じであっという間に30匹(2~5mm程度)ぐらいを軽く平らげてしまった。エビ水槽には見えるだけでもまだ20匹ほどいるがまだ小さいためグロテスク感は無い。ずいぶんとスッキリした。
よよこ「福蔵すごーーーい!」
レッドラムズホーンに軽い嫌悪感すら感じ始めていたよよこにとっては福蔵はまさに福の神だったに違いない(笑)。
そんなこんなで、日常の中の非日常、台所の癒し空間としての姿を取り戻したビーシュリンプ水槽をうっとりと眺めていると…
……ん?
こ、これは……
これは稚エビじゃないかぁぁぁぁぁ!!!!!
そう。なんと水草で覆い尽くされていたレッドビーシュリンプ水槽では僕たちの知らないうちに抱卵→孵化→成長が営まれていたのだ。ビーシュリンプといえば良く聞くのが“爆殖”と呼ばれる爆発的な増殖であるが、「爆殖」ならぬ「地味殖」な辺りがいかにも我が家らしい。
実は先日、ウチのカブトムシ幼虫エース分隊1号が蛹化を果たした6日後、2号が蛹化不全で死んでしまった。割れるべき幼虫時代の頭の部分が割れず、左脇部分から側面の皮を破って出てきたものの、無理な姿勢が祟って裂けていない部分にサナギの羽の部分が引っかかり、自らの激しい動きのせいでサナギの膜が脆くも破れ、人工蛹室内に体液が漏れ出てしまうという衝撃的な蛹化失敗シーンだった。何ら処置を施すことも出来ないまま翌日の夕方には息絶えていた2号を埋葬していると1号が無事に蛹化してくれた奇跡に改めて感謝の気持ちが心に溢れた。
レッドビーシュリンプの稚エビ誕生は僕にとって待ちに待ったニュースではあったが、そうした経緯もあって単なる喜び以上に実に感慨深いものとなり、暦の上では最凶の日だったものの、それはまさに福蔵がレッドラムズホーンを噛み砕くように幸せを噛みしめた1日となった。
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