多重起動防止

　① FindWindow 関数を使用する方法
　② Mutex(ミューテックス)を使用する方法<その１>
　③ Mutex(ミューテックス)を使用する方法<その２>

自分が行っているのは、Mutexの方なので
Mutexの方を説明します。

Mutex使用の多重起動防止までの流れ<その１>
　① グローバルに、ミューテックスに使用するHANDLEを定義しておく。
　② OpenMutex () により、ミューテックスオブジェクトのハンドルを取得
　③ if文により、もしミューテックスオブジェクトがオープンでき、ハンドルが取得出来れば、
　　　以前にアプリケーションが起動していると言うことなので、WinMain ()に riturn FALSE を送り、アプリケーションを終了させる。
　④ アプリケーションが起動していなければ、CreateMutex () により、グローバルに定義しておいたハンドルに、ミューテックスオブジェクトを作成する。
　※ CreateMutex () により、グローバルにミューテックスオブジェクトハンドルを作成しておくことにより、
　　　②で、ミューテックスオブジェクトのハンドルを取得することができる。
　⑤ アプリケーション終了前に、ミューテックスハンドルのリリース(開放)する。

Mutex使用の多重起動防止までの流れ<その２>
　① グローバルに、ミューテックスに使用するHANDLEを定義しておく。
　② CreateMutex () により、グローバルに定義しておいたハンドルに、ミューテックスオブジェクトを作成する。
　③ GetLastError () により、ERROR_ALREADY_EXISTING メッセージが来ているかのチェックする
　④ ERROR_ALREADY_EXISTING メッセージだった場合、以前にアプリケーションが起動しているということなので、
　　　WinMain ()に riturn FALSE を送り、アプリケーションを終了させる。
　※ CreateMutex () により、グローバルにミューテックスオブジェクトハンドルを作成しておくことにより、
　⑤ アプリケーション終了前に、ミューテックスハンドルのリリース(開放)とクローズをする。

上記で述べた関数の説明
　OpenMutex () 関数
　　HANDLE OpenMutex(DWORD fAccess, BOOL fInherit, LPCTSTR sMutexName);

　引数の説明

fAccess	ミューテックスオブジェクトの使用フラグ
fInherit	取得ハンドルが、継承可能かの真偽(FALSE/TRUE)
sMutexName	オープンするミューテックスオブジェクト名

　戻り値

　　オープンしたミューテックスオブジェクトのハンドル。

　　ミューテックスオブジェクトのオープンに失敗した場合、NULLが返される。

　CreateMutex () 関数
　　HANDLE CreateMutex(LPSECURITY_ATTRIBUTES pSAttr, BOOL fOwner, LPCTSTR sMutexName);

　引数の説明

pSAttr	セキュリティ属性
fOwner	作成時に所有権を取得するかの真偽(FALSE/TRUE)
sMutexName	作成するミューテックスオブジェクト名

　戻り値

　　作成したミューテックスオブジェクトのハンドル。

　　ミューテックスオブジェクトの作成に失敗した場合、NULLが返される。

　　既に、指定したミューテックスオブジェクトのハンドルが存在していた場合

　　GetLastError () 関数により、ERROR_ALREADY_EXISTINGが返される

使用例：サンプル<その１>

//_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
//_/                                                        _/
//_/ Mutexサンプル<その１>                                  _/
//_/ 赤字が、対象のコードです                               _/
//_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

#include<windows.h>

HANDLE g_hMutex;

LRESULT CALLBACK WndProc(HWND, UINT, WPARAM, LPARAM);

int WINAPI WinMain(HINSTANCE hInstance, HINSTANCE hPreInst,
                   LPSTR lpszCmdLine, int nCmdShow)
{
    HWND hWnd;
    MSG msg;
    WNDCLASS wc;

    HANDLE hPrevMutex;

    hPrevMutex = OpenMutex(MUTEX_ALL_ACCESS, FALSE, "MutexTestSample"));

    if(hPrevMutex)
    {
        MessageBox(NULL, "既に起動しています。", "起動中", MB_OK);
        CloseHandle(hPrevMutex);
        return FALSE;
    }

    g_hMutex = CreateMutex(FALSE, 0, "MutexTestSample");

    if(!hPreInst)
    {
        wc.style         = CS_HREDRAW | CS_VREDRAW;
        wc.lpfnWndProc   = WndProc;
        wc.cbClsExtra    = 0;
        wc.cbWndExtra    = 0;
        wc.hInstance     = hInstance;
        wc.hIcon         = NULL;
        wc.hCursor       = LoadCursor(NULL, IDC_ARROW);
        wc.hbrBackground = GetStockObject(WHITE_BRUSH);
        wc.lpszMenuName  = NULL;
        wc.lpszClassName = "Window";
        if (!RegisterClass(&wc))
            return FALSE;
    }

    hWnd = CreateWindow(
        wc.lpszClassName,
        "Mutexサンプル",
        WS_OVERLAPPEDWINDOW,
        CW_USEDEFAULT,
        CW_USEDEFAULT,
        CW_USEDEFAULT,
        CW_USEDEFAULT,
        NULL,
        NULL,
        hInstance,
        NULL);

    ShowWindow(hWnd, nCmdShow);
    UpdateWindow(hWnd);

    while (GetMessage(&msg, NULL, 0, 0))
    {
        TranslateMessage(&msg);
        DispatchMessage(&msg);
    }
    ReleaseMutex(g_hMutex);
    return msg.wParam;
}

LRESULT CALLBACK WndProc(HWND hWnd, UINT msg, WPARAM wParam, LPARAM lParam)
{
    switch(msg)
    {
        case WM_DESTROY:
            PostQuitMessage(0);
            break;
        default:
            return(DefWindowProc(hWnd, msg, wParam, lParam));
    }
    return 0;
}

← グローバルに、ミューテックスハンドル宣言。

← ミューテックステスト用のハンドル宣言。
　　　　
← ミューテックスハンドルを取得。

← もし、ミューテックスのハンドルが取得できれば、
　　以前に、アプリケーションを起動していると言うことなので、
　　テストに使ったハンドルをクローズし、
　　WinMainに、FALSEを返し、アプリケーションを終了する。

← ミューテックスハンドルを取得 "できなければ"、
　　ハンドルを作成する。

← アプリケーション終了前に、ミューテックスハンドルをリリースする。

使用例：サンプル<その２>

//_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
//_/                                                        _/
//_/ Mutexサンプル<その２>                                  _/
//_/ 赤字が、対象のコードです                               _/
//_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

#include<windows.h>

HANDLE g_hMutex;

LRESULT CALLBACK WndProc(HWND, UINT, WPARAM, LPARAM);

int WINAPI WinMain(HINSTANCE hInstance, HINSTANCE hPreInst,
                   LPSTR lpszCmdLine, int nCmdShow)
{
    HWND hWnd;
    MSG msg;
    WNDCLASS wc;

    g_hMutex = CreateMutex(FALSE, 0, "MutexTestSample");

    if(GetLastError() == ERROR_ALREADY_EXISTS)
    {
        MessageBox(NULL, "既に起動しています。", "起動中", MB_OK);
        return FALSE;
    }

    if(!hPreInst)
    {
        wc.style         = CS_HREDRAW | CS_VREDRAW;
        wc.lpfnWndProc   = WndProc;
        wc.cbClsExtra    = 0;
        wc.cbWndExtra    = 0;
        wc.hInstance     = hInstance;
        wc.hIcon         = NULL;
        wc.hCursor       = LoadCursor(NULL, IDC_ARROW);
        wc.hbrBackground = GetStockObject(WHITE_BRUSH);
        wc.lpszMenuName  = NULL;
        wc.lpszClassName = "Window";
        if (!RegisterClass(&wc))
            return FALSE;
    }

    hWnd = CreateWindow(
        wc.lpszClassName,
        "Mutexサンプル",
        WS_OVERLAPPEDWINDOW,
        CW_USEDEFAULT,
        CW_USEDEFAULT,
        CW_USEDEFAULT,
        CW_USEDEFAULT,
        NULL,
        NULL,
        hInstance,
        NULL);

    ShowWindow(hWnd, nCmdShow);
    UpdateWindow(hWnd);

    while (GetMessage(&msg, NULL, 0, 0))
    {
        TranslateMessage(&msg);
        DispatchMessage(&msg);
    }
    ReleaseMutex(g_hMutex);
    CloseHandle(g_hMutex);
    return msg.wParam;
}

LRESULT CALLBACK WndProc(HWND hWnd, UINT msg, WPARAM wParam, LPARAM lParam)
{
    switch(msg)
    {
        case WM_DESTROY:
            PostQuitMessage(0);
            break;
        default:
            return(DefWindowProc(hWnd, msg, wParam, lParam));
    }
    return 0;
}

← グローバルに、ミューテックスハンドル宣言。

← ミューテックスハンドルを作成。

← もし、GetLastError () から、
　　ERROR_ALREADY_EXISTS メッセージが返されたら
　　以前に、アプリケーションを起動していると言うことなので、
　　WinMainに、FALSEを返し、アプリケーションを終了する。

← アプリケーション終了前に、ミューテックスハンドルをリリースする。
← アプリケーション終了前に、ミューテックスハンドルをクローズする。

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